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美濃・奥越・湖北

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?

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【 日 付 】2011年4月3日(日)
【 山 域 】越美/美濃俣丸△1253.8~笹ヶ峰△1284.6 

【メンバー】単独 【 天 候 】曇りのち晴れ、やや風強し
【 ルート 】広野ダム二ツ屋橋6:20-二ツ屋導水施設6:40-尾根取り付き7:25-・912標高点9:15-・11159-9:40美濃俣丸9:50-・1288(大河内山)-co1280ロボットピーク11:05-・1294(夏小屋丸)-11:50笹ヶ峰12:15-ロボットP12:55-△949.6源平谷山13:45-林道出合14:40-二ツ屋施設-16:25駐車地

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往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_1724508.jpgアラームが鳴った。慌てて時計を見る。5時半にセットしたんやから、見んでもいいようなもんなのに…。あたりはもう明るい。
広野ダムの周回路は除雪してあり、手動ゲート(?)さえ開ければ一周できる。鈴谷の二ツ屋橋のたもとに駐車して夜を明かした。舗装道路に張ったテントで寝ていたがあまりに寒いので深夜車に潜り込む。シュラフに毛布を巻きつける。やっぱりこっちの方がマシだわ。

車から出て、テントを片づける。こんなに明るいなら、もっと早めにセットしたらよかった。昨夜の一人宴会のAlcが残っているのか、頭がすっきりしない。ダラダラと支度しながら、ガスでお湯を沸かす。朝からカップめんとは、ややシツコイけど、オニギリでは喉を通らへんやろなあ?
車の音がして緑色のパジェロミニがやってきた。岐阜ナンバーの単独男性。挨拶して聞けば同じルートみたいだ。話はそこそこに支度が終わったので先に出発する。
空は高曇り。予報では回復基調なので、そのうち晴れてくるやろ。固く締まった雪の林道を歩いて二ツ屋導水施設へ。林道とはいってもカーブで崖が迫ったところは雪の急斜面のトラバースを迫られる。バランスを崩せば右手の谷へ滑落!要注意だ。





往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_1726373.jpg二ツ屋の擁壁の上を渡って鈴谷沿いの林道を進む。踏み跡は残っているが、まったく踏まれていないところでも沈まずに歩ける。今日はスノ―シューは無用の長物になるのかも?
林道の分岐は橋を渡らず左へヘアピンカーブ。尾根を回り込むように進み、今度は右へ大きくカーブするところから左手の尾根に取り付いた…のは2年前。今回の踏み跡はもう少し林道を進んでいるので、従ってみる。すぐに左手の小さな張出しから尾根に取り付く。5分余り斜面を登れば尾根に出る。しっかり雪が残っているので前回のようなヤブコギはせずに済む。あとは尾根に従って進むだけである。

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_1727970.jpg春の準備もまだこれからのような二次林をブラブラと歩く。いつの間にか・912手前の台地状の尾根に。前衛の・1115峰を従えた美濃俣丸が視野に入ってくる。タイムは快調。これなら笹ヶ峰周回も可能だろう。10時半を決断のタイム基準にする。
・1115峰でまだ9時20分。左前方に三周ヶ岳~高丸の山稜が現れる。すぐそこだ! 笹ヶ峰より近そうだ。あっちへ行こうかな? 

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美濃俣丸への最後の登りは半端でない急登だ。雪が緩んだ前日のものと思われる深い踏み跡が凍って固くなっており、それを頼りに注意しながら登って行く。(アイゼン履けば良かった…)とは思いながら、(もうちょっとやから…)とズボラする。
往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17284183.jpgなんとか急登をクリアして山頂へ。素晴らしい眺め! でも、風が結構強い。三周ヶ岳へはどうやら尾根は繋がっていないみたい。地図で確認しても右から回り込まないと行けないようだ。やはり思いつきは事故の元だなあ。あっさりあきらめて北側へ目を向ける。
美濃俣丸から笹ヶ峰はロボットピークに隠れて見えないと思っていたのだが、ロボットPのすぐ右奥に山稜が見えている。夏小屋丸か笹ヶ峰の南面だろうか?

ダム湖畔で出会った単独者はまだやってこない。空は曇ったままで風はビュービュー吹いている。心細いけど、じっとしてたら寒い。時刻はまだ10時前で、たっぷりあるので前に進むことにする。吹きっさらしはカリカリの急斜面。おっとととっ! 滑落しそうになって慌てて木を掴む。慎重に下って、今度は隣りのピークへ風が弱いやや東面から登って行く。ここには樹木は全くない。滑ったら下まで一直線だ。(><)
ピークの東側を巻き気味に稜線へ出る。アップダウンはあるが快適な雪稜歩きだ。風さえなければ言うことなしなんだけど…。
振り返ったり前を見たり、左右を脇見したり…車なら事故間違いなしの不注意運転。・1288はネットの記録には「大河内山」とも「ヨセン谷丸」とも記述があったが、どちらが正しいのか知る由もない。大河内川右俣の源頭ではある。が、その谷をヨセン谷と言うのかも知れない。

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17294885.jpgロボットピークへの尾根は雪庇が大きい。巨大な人の顔のような雪庇がある。近づいてみると、そうは見えない。見る位置によっていろいろな形に見えるもんだ。雪庇のナイフリッジ上を通過するようなところまである。雪面の割れ目もできている。割れ目をまたぐところで片足が膝まではまり込み、思わず突いた右手が肩まで割れ目にはまり込む!なんてことも。
ピークにロボット雨量計があったという。2年前に初めて来た時、雪の間からバッテリーなどの残骸が覗いていて、なんでこんなもんがあるんや? と不思議に思ったんだった。それにしてもこのピークはどこから見ても存在感がある。正式な名前はないんだろうか? 「ロボピー」「ロボット峰」では可哀そう過ぎる。

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17321583.jpgさて、あとどれくらいかな? ・1294ピーク(夏小屋丸)の左に笹ヶ峰が見えている。30分では無理だろう。でも1時間はかからんやろ…。帰りはここから源平谷山へ下るのだからザックはデポして空身で? と思ったが、あたりは樹木のほとんどない雪稜なので、置き場が見当たらない。たいして重くはないのでこのまま担いで行くことにする。帰りの尾根の取り付きルートを確認しながらピークから下る。
11時前から青空が広がってきた。陽射しが嬉しい。その分、雪が柔らかくなってきたが…。登り返してからはやや左へ。ここの雪庇やクレバスも気になる。さっきのように割れ目を踏み抜かないように気をつけながら進む。
白い山々のパノラマは360度。もう見飽きるくらい見た! ゆっくり山名を確かめたりしたいのだが、風が寒いのと、ちょっと急いでいるので、とにかく笹ヶ峰まで(撮影以外は)ノンストップで。

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17344585.jpgロボPあたりで気付いたのだが、単独者のツボ足の踏み跡が薄く残っている。ひょっとしたらこのまま笹ヶ峰山頂を越えて北隣りのピークから標高点・996の尾根を下ってるのでは? じつは2年前、その尾根を下り途中で日没の憂き目に遭ったのだった。しかし、その時は山頂ですでに2時過ぎだった。今回は12時までに到着できそうだ。あわよくば踏み跡を辿ってリベンジできるかも?
そう思って笹ヶ峰山頂も通過するだけで隣りのピークへ進む。ここから左へ折れて尾根を下るのだが、踏み跡は…? 無情にもそのまま北へ高倉峠方面へ続いている。ウ~ン、どうするか? 西の尾根にはタップリ雪が付いていて下るのは楽そうだ。しかし…
ここで理性が働いて(たんに怖気づいただけかも?)、年寄りの冷や水はやめとこ~!と、決断。安全第一で予定のコースにします。
笹ヶ峰ピークへ戻ると、単独者が行動食を齧っている。ダムサイトで出会った方だった。結局この日出会った唯一の人だ。
ランチもまだ。背中でカップ麺やアワワが待っている。ここらで…とは思うが、なんだか時間がもったいない。適地も見当たらない。スポーツ飲料で給水し、チョコを齧りながらロボ峰へ引き返す。

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17361228.jpg往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_1736377.jpg来るときはルンルンで下ったロボ峰への斜面を一歩ずつ登る。右からトラバースすればいいのだが、スリップが怖いので大きく迂回する。さっきの足跡はこの尾根を登って来たのだろうと思っていたのに、いつの間にか消えてしまった。
源平谷山を見下ろしながら真っ白の尾根を下る。右手に見える先ほど歩いた稜線がだんだん遠くなる。左手にロボピークから美濃俣丸への稜線。北隣のピークの陰で山頂は見えない。
往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17382655.jpg往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17385249.jpg緩やかに下る広い雪原の最後に2本のブナが門構えのように立っている。下遠方を見ると源平谷山の入り口にも2本のブナが門のように立つ。へんな偶然に感心してしまう。
急な下りや細い雪ブリッジもあるが順調に源平谷山へ。ブナゲートの真ん中からロボピークをカメラに収める。笹ヶ峰も写しとこう。

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_173936100.jpgここから急下りになるかと思ったが、それほどでもない。尾根は一本で間違えることはない。ちょっと広がると左寄りに下って行く。ミズナラの大木が次々に現れる。雪が少なくなりヤブっぽくなってきたと思ったら下に谷が見えてきた。両側の谷が出合う痩せた小尾根のラストに石の鳥居がある。ここだここだ!山日和さんの逆コースレポにあったところだ。
ということは渡渉があるはず。橋はなく、渡渉点を探してみるがありそうにない。まあええか…、ここまで来たら、もう濡れても構わない。さてどっちを渡ろうか? レポには林道の橋からトラバして右の谷を渡って鳥居へ、とあった。なので上流から見て左の谷を渡る。2歩ほど水中に浸かるが一瞬なのでそれほど水は進入してこない。

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17403623.jpgしかし、それからが大変だ。川岸は顔のあたりまでの雪壁だ。掴まるものもない。どうやって上ろう?比較的しっかりした雪なのでストックと靴で壁にホールドを作る。伸び上って上の雪面にストックを逆向きに突き刺す。ホールドに足を駈け、ストックを掴んで「エイヤッ!」と体を押し上げる。なんとか雪は崩れず鉄棒にお腹を乗せたような状態に。ストックを抜いて、2本ともさらに遠くへ突き刺す。それを掴んでやっとクリア!
広い河原の雪原を行くと橋が見えてきた。あの林道へ出ればいいのだ。が、目の前に今渡った川がある。これなら反対側の川を渡ればよかった。しかしこのまま行けば橋の左詰めに出るはずだ。雪さえなければ斜面を樹木を掴んでトラバすれば簡単なのかもしれないが、今は斜面から川に向かって雪庇のように雪の壁が迫っている。仕方なく橋の直前でもう一度雪壁にチャレンジしかないのだが、さっきのように背丈くらいでは済まない。川まで落ちれば10m近くはある。雪も頼りないし…。ちょっと躊躇ったが、木の枝もあり、雪さえ崩れなければなんとかなりそうだ。

橋の下流から林道に出てホッと一息。鳥居のところから100mも離れていないのに30分もかかってしまった。林道の雪は緩んでいるので、ここで初めてスノ―シューの出番が来た。危うく「無用の長物、重物」になるところだった。役に立ってなによりだ。もうシューのシーズンはおしまいだなあ。あとは林道をひたすら歩けば駐車地まで1時間もかからないだろう…。
往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17412163.jpgと思ったのは少しの間だけだった。林道がカーブするたびに山の斜面から押し出されてきた雪が被さり、凍った急斜面のトラバースを強いられる。当然のこと右側は谷へ直行の急斜面だ。雪面には枯葉や石ころや木の枝が被さり、シューで歩くのはちょっとヤバい?
それでもクリアするたびにアイゼンに履き替えるのは面倒になりそのまま進む。ヤバイデブリを3カ所くらい通過してやっと二ツ屋上流の橋に到達。ホッとすると疲れが一気に出る。油断も…。もうヤバいところはないよなあ…、と往路のことはすっかり忘れている。雪のデブリはまだあったでしょうが…!
ゴール寸前、最後の最後にシューが絡まって前向きに転倒!(><)幸いというか、メガネのツルが折れただけですんで、目デタシ目デタシ~♪(谷のトラバで転倒してたら今ごろはアマゴの餌になってたかも?)

往きは良い良い、帰りは…リベンジの山は今度も?_c0097754_17415983.jpg
今回も下山最後にクライマックスがやってくる展開だった。

♪往きはよいよい帰りは怖い 
♪怖いながらも とおりゃんせ とおりゃんせ~

怖いもん見たさの奥美濃通いの春です。

            ~biwaco
Commented by マーファミリパパ at 2011-04-11 22:00 x
今回はソロですか。
4月というのにまだまだ奥美濃は深い雪ですね。頂上より中腹以下の所が凍って怖そうです。アイゼン付けるの面倒がったら怖い目にあいそうです。
福寿草見たいと言ってたらもうカタクリの季節になってました。とりあえず、近いうちに鈴鹿の鎌ヶ岳~御在所岳を回ろうかと考えてます。
Commented by kitayama-walk at 2011-04-12 01:35
 美濃俣丸と笹ヶ峰でしたか。この2座は、三周ヶ岳の北側に位置していますが、稜線がひとつ違うんですね。夜叉ヶ池から県境稜線沿いに北上し三周ヶ岳に2回登ったことがありますが、ヤブコギしました。三周ヶ岳の手前で、県境稜線は左に巻いており、その延長線上に美濃俣丸と笹ヶ峰があります。三周ヶ岳からはすぐ近くに見えましたが、稜線上は相当なヤブだと思います。だからこそ、積雪期にしか、まともに登れないのでしょうね。積雪期であれば、夜叉ヶ池からでは日帰りは無理と思います。従って、biwacoさんのコース取りは正解なんだと思います。それにしても、前回の二ノ轍を踏まなくてよかったですね。GPSが頼りになったはずです。
Commented by kitayama-walk at 2011-04-12 01:42
 そうそう、言い忘れたのですが、ヤブ漕ぎが好きなbiwacoさんにお勧めします。雪がなくなった6月頃に、夜叉ヶ池から、三周ヶ岳とは反対方向に歩き、三国岳(岐阜・福井・滋賀の県境)から左千方まで行ってみたらいかがでしょうか。おそらく、ヤブ漕ぎにへこたれること必至でしょう。夜叉ヶ池から左千方までは片道2時間くらいでしょう。きっと向こう脛に太い笹がガンガンと当たる快感を得られます。
Commented by biwaco06 at 2011-04-13 16:46
マーファミリパパちゃん~
一人旅は気楽でいいよ~(^.^)/~~~
今年は雪が多いので、いつまでも雪山が楽しめます。おかげで春の花を見忘れるかも? 霊仙もことしはまだ行ってないんですわ。(><) そろそろ、鈴鹿へも行ってみようかな?
10日は、またも奥美濃の蕎麦粒山でした。
Commented by biwaco06 at 2011-04-13 16:51
kitayama-walk さん~
このルートは2年前のリベンジでした。その時より雪が多く、歩き易かったです。三周ヶ岳~左千方は狙っているのですが、どこから取り付くか思案中。安蔵山の尾根からか、夜叉ヶ池からか? それも林道の雪次第ってとこでしょうか。林道の雪のデブリは痩せ尾根より怖いもんね。
無雪期のササ藪コギは御岳の三浦山で懲りたしなあ…。
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by biwaco06 | 2011-04-09 17:49 | 美濃・奥越・湖北 | Comments(5)

近畿中心の山を歩いた気まぐれなmt.memoryです


by biwaco06
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