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美濃・奥越・湖北

横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山

横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_2313441.jpg
【 日 付 】2011年3月13日(日)
【 山 域 】湖北/墓谷山~横山岳 

【メンバー】ふ~さん、biwaco【 天 候 】晴れ、無風~微風
【 ルート 】菅並6:35-8:30二鋸-9:10墓谷山9:35-鳥越峠10:05-・800標高点-望横ベンチ11:05-12:40横山岳-西尾根分岐-13:10昼食14:10-北西尾根-南西尾根JCT14:55-△856.9-・624-林道出合-17:00水道施設-大ケヤキ

横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_1048888.jpg金糞岳の余韻がまだ残っている。今週はどうしようかなあ…、とボンヤリ考えていたら衝撃の大地震!!!被災地は地震と津波に原発事故のトリプルパンチでエライことになっているようだ。神戸の震災を思い出したが、テレビで津波の様子を見ていると、どうやらそれ以上の被害になりそうだ。
山どころじゃないなあ…。と沈みかけていたら、ふ~さんから「日曜は大丈夫」とメールが来た。ちょっと前に「横山岳なら隣りの墓谷山経由で行きたいなあ」と話していたのだ。勝手なものでモチベーションは一気に上がり、待ち合わせの連絡や準備に入る。
「被災地は大変だろうけど、飛んで行けるわけでもないし、自粛ばかりしてても…」と理由付けまでしてしまうのだから、この身勝手さにはきっと天罰が下るのかも?




横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23135477.jpg横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23151142.jpg余呉の湖北病院で待ち合わせ、乗り合わせて菅並へ向かう。上丹生の高時川沿いは七七頭ヶ岳を背に雪原から立ちこめる朝靄が幻想的だ。
さて、どこから取り付こう?あたりは雪で覆われていて、どこからでも入り込めそうだ。
鳥越峠からの谷を挟んだ南側の尾根に向かって急斜面に取りつく。思ったより雪は締まっていない。ズボズボと穴ぼこに落ちながら雑木を掴んで高度を上げていく。だんだん尾根っぽくなってくると斜度も落ち着く。右隣に七七頭ヶ岳、振り返ると横山岳西尾根がせり上がってくる。
・508標高点を過ぎたあたりでスノ―シューを履く。やっぱりこのほうが楽チンだ。もっと早く履けば良かった。
当面の目標のピークはco670のピーク。地元の人は「二鋸(ニノコ)」と呼んでいるらしい。上丹生からの登山ルートの2番目のピークという意味らしい。ピークは広い平坦地で見晴らしもまずまず。一休みしてエネルギー補給にオニギリをほうばる。

横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23163871.jpg目の前に墓谷山の上半身が覗いている。そこへの釣り尾根は結構スリムに見える。シャクナゲの枝葉も覗いており、無雪期はヤブコギが大変だろうな? と思いながら、雪を崩さないよう気をつけながら進む。最後の登りは結構きつい。山頂は東西に長く、一番東寄りに山頂標示があった。
東側の展望が開ける。やはり金糞岳が大きい。先週はあの山にいたんだなあ…。と、登った軌跡を追ってみたりしてみる。横山岳の右奥に見えているのは蕎麦粒山かな?

東の山と空に向けて黙祷を捧げる。こんな事態の時に山歩きを楽しませてもらうことへの感謝もこめて。墓谷山の山名は偶然の巡りあわせだが…。

横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23181343.jpg鳥越峠への下りは植林帯で、初めは急だが何度か波打っている。ところどころ、標示板があり、杉野から周回する夏道が整備されているようだ。
峠からの三高尾根はいきなりの急登である。こんなところを下りに使ったら大変だ。さて、山頂までどれくらいで行きつけるんやろ?
・800標高点のあたりに「望横ベンチ」の案内板がある。峠から1時間だ。目の前に横山岳の山頂。2,30分で行けそうな錯覚にとらわれる。
右下の谷筋は白谷からの登山路がある。2年前の4月に菅並から西尾根を登り、ここの急な道を下ったことを思いながら足を運ぶ。だんだんとブナが多くなってくる。青空もだんだん青さを増してくる。峠から2時間半のつもり。どうやら急がなくても時間通りに着きそうだ。

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横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_2322613.jpg横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23225765.jpgポンと跳び出した平坦地は山頂? 左右に稜線が伸びている。おおっ!北側の眺望が一気に開ける。1/25000の地形図とともに広域図をプリントしてきた。先週の失敗の教訓である。これで同定が可能かな? 目の前の尾根は烏帽子、高丸、左千方、上谷と続く国境尾根だ。ならば右の奥に見えているのが蕎麦粒山か! としたら墓谷山から見えていたのは天狗山?それとも小津権現か?
蕎麦粒の背景にぼんやりと白山が横たわる。その右は能郷白山だろう。先週の金糞岳からの眺めとは角度がちょっと違うが、ここからのほうがやや近い。

稜線の右に大きな雪庇。登る途中からも見えていた。ザックを降ろして空身で東峰へ行ってみましょう。走るように前を行くふ~さん。「待ってよー」…とは言わない。カメラを出したり仕舞ったりで忙しいこと。
2m以上の雪庇の壁をよじ登る。東峰はまだ先だ。往復30分以上もかかりそうなので行くのはやめにする。いつの間にか1時前。いくらなんでもそろそろランチタイムにしないと。
ところで横山岳の山頂ならコンテナの物見台があるはずだが平坦な雪原だ。たしかハシゴで上に登ったはずだが…。片づけた?建材が置いてある。壊れたんやろか?
と、思って建材の横を見ると雪が融けて隙間があいている。とてもストックが届かない。そうか! 畳んである建材ではなくコンテナの屋根まで埋まっているのだ!

横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23244057.jpg尾根を北西に進み西尾根との分岐あたりでランチにする。風除けに尾根の北東側に陣取る。ロケ―ションは抜群。奥美濃劇場の桟敷席だな。山頂で同定した山々が、宝塚じゃあるまいが目の前で「雪組公演」だ~♪
幕の内弁当はないけれど、カップめんにアワワ付き。だけかと思ったら、ふ~さんのポケットから小魚干物やらナッツやらが出てきて、アワワの味が引き立つ。こんなことならもう一本持ってきたら良かった…?などという邪念は被災地に思いをやって押しつぶす。
それにしてもしなくても、あの稜線にはぜひ行っておかないと! とひそかに胸に叩きこむ私であった。ちなみに、広野ダムから美濃俣丸~笹ヶ峰を彷徨したのが一昨年。たいそうかもしれないが、自らの不始末にも拘らず、幸運にも命を長らえさせてもらった。それ以来足を踏み入れていないのだから、やはりそれは礼を失していると言われて然るべしであろう。今年、しかも清浄なる雪のあるうちに必ずやお訪ねしないと。

横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23271942.jpg横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23274948.jpgランチに1時間もかけてしまった。時計は2時。いくら日が長くなったとはいえ、そろそろ腰を上げないと。緩やかな傾斜の北西尾根をブラブラ下る。ブナの回廊とはここのことなのか? 幹周2m以上と思われる大木から若々しい木まで適度の間隔で青空に枝を伸ばす。一本一本、姿形を変え、オリジナリティを競う。それを鑑賞しながら下って行く。
菅並へ下るジャンクションに二股に枝を広げるブナがある。分岐点の標識みたいなので「北西尾根JCTブナ」と命名。ここから左の尾根を下る。
横山岳北西尾根は奥美濃劇場の桟敷席~追悼の墓谷山_c0097754_23285151.jpg左に墓谷山を眺めながらいつの間にか△856・9を過ぎ、co730の平坦地で左へ。co480で尾根が分かれるがここも左気味に。最後はco380あたりだが、左端に道型っぽい掘割ができている。倒木がうるさいがここに沿って下って行くと、下にカーブミラーが見えて林道に降り立つ。古い登山路を林道が切り刻んでいるのだ。
林道路肩の雪に登ると、さらに登山路が続いているのが分かる。すぐに谷筋へ降り立ち、対岸に水道施設がある。橋を渡って余呉の大ケヤキに丁度5時。

かなりのロングコースだったが、充実感と眺望に満足な一日だった。悲しいことは忘れさせてくれる雪と山。でも、もちろん忘れてはいけない被災地との連帯。いろんなことを考えさせてくれた今年の横山岳だった。
Commented by 武くん at 2011-03-28 21:49 x
いやはや、震災救援への連帯をこじつけたような、尻軽山行をされていたのですね。

しかし、我社も震災ボランティアの登録を始めましたから、一連のゴタゴタがすめば、連休明けくらいからはツェルト担いで磐梯山に、いや現地へ行くことになるかも。ご一緒にいかが?
Commented by biwaco06 at 2011-03-29 22:57
武くん~
いえいえ、人命第一、心をつなぐエール山行ですがな!尻軽だなんて、人聞き悪い(--〆) せめて「足軽」くらい言ってほしかったなあ…。
被災地、連休明けって言わんと中旬には行って下さいね。海岸の漂流物片付けやら、原発の汚染水処理やら、火事場泥棒の不寝番やら…やることはいっぱいあるらしいですから。なんならお供しますよ。
Commented by kitayama-walk at 2011-03-30 11:29
 biwacoさん、こんにちは。
 豪雪地帯・湖北の横山岳-積雪期ないし残雪期に一度登ってみたいと思っていて、3/19に登山予定にしていたら、前日に積雪があったようなので、途中敗退の可能性があると考えて、急遽霊仙山に変更してしまいました。

 このときは、西尾根をピストンするつもりでした。「岳人」2011/4号にこの西尾根コースが紹介されていました。biwacoさんが昨年4/18に登ったのはこの西尾根コースではないのかな?紹介文では、西尾根コースは一昨年に拓かれたと書いてありますので、ヤブコギしなくてすむのかなと思ったりしていますが、今はまだ積雪期なのでヤブは埋まっていることでしょう。

 西尾根コースで登り、下山はbiwacoさんが下った北西尾根から西南尾根への周回コースなんてどうだろうと考えています。
Commented by biwaco06 at 2011-03-31 12:13
kitayamaさん~
杉野からの白谷は雪の季節は登れそうにないなあ…と三高尾根から見下ろしてました。西尾根か北西尾根からがベターでしょうね。西尾根から登ったのは09年の雪がだいぶんなくなったころで、ヤブに悪戦苦闘でした。カタクリの花がいっぱいでした。近年、余呉トレイルの方々が整備してくれているみたいで、無雪期でも大丈夫のようですね。
27日は所用があったので月曜(28日)に上谷山へ行きました。珍しくもうレポアップしました。(^O^)/
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by biwaco06 | 2011-03-26 23:43 | 美濃・奥越・湖北 | Comments(4)

近畿中心の山を歩いた気まぐれなmt.memoryです


by biwaco06
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