美濃・奥越・湖北

金糞岳北尾根は雪の奥美濃眺望劇場~♪

【 日 付 】2011年3月5日(土)
【 山 域 】江美県境/金糞岳 
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れのち快晴、無風~微風
【 ルート 】坂内広瀬(鳥越林道)-除雪終点(駐車)8:05-殿又谷出合8:50-林道終点(co640)-支尾根-(co890)10:35-・1039-11:10昼食(co1020)11:55-・1211-△1277.2-13:20金糞岳(・1317)13:40-(・1039)14:50-△688.7-(co530)16:00-17:10駐車地

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c0097754_10564837.jpg週半ばに雨、その後の冷え込みで新雪も期待できる。そして土日と高気圧が覆ってくれてお天気の心配もない--こんな絶好の山日和は滅多にないぞ。行かなくっちゃ!
行き先に迷ってしまった。お誘いがあった台高テント泊。う~ん、重荷担いで大丈夫やろか?と、敬遠。比良にも今年はまだ行ってないなあ…。
しかししかし、やっぱり雪なら北陸か奥美濃でしょう~♪
そんなわけでマップ作りだ。菅並から横山岳、坂内から天狗~黒津、蕎麦粒山までは入れんかなあ…?
それに懸案だったのが金糞岳北尾根! いつだったかokuちゃんのレポを読んだ記憶がある。長い長~いヤブと残雪のピストン歩きだったような…。今なら下部にもヤブは出てないだろう。よし、土曜日はここに決定だ。で、その晩は藤橋の湯で温まって、車中泊。翌日は近くのどっかヘ登ればいいのだ。





4時過ぎに起きて出発準備。今回は忘れ物はないように! 出発は5時を回ってしまったが、一人旅なんだから慌てることはない。竜王ICから名神高速へ。関ヶ原からR21などでR303の坂内に入る。その前に藤橋の湯の営業時間を確認。午後9時までOKとわかり、なんとなく安心。車中泊地予定の「道の駅さかうち」もチェックして、さあ、登山口へ。
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浅又川の入り口はどこやろ…?と国道を走る。つい行き過ぎて、八草トンネルの近くまで。Uターンして地図で確認。良く見ると橋に浅又川と書いてある。鳥越峠へ続く川沿いの林道はどこまで除雪してあるかな? 車がやっと通れるくらいの幅で両側には2mちかい雪壁が立つ。除雪はすぐに終り、車1台分の空き地があるので駐車させてもらう。
ここから歩くとなると、林道歩きだけで相当ありそうだ。行ける所まで行って引き返したらいいわ…。

c0097754_2022265.jpg雪面は凍っていて固いのでシューは背負って行こう。ところがすぐに踏み跡の全く消えた深雪になり、シューを履くことに。
西から突き出した尾根へ入って行くシューの跡。・603から北尾根へ上がったんだろうか? ここからでは稜線に出てからが長すぎるなあ…。
さらに林道を進むと、右手からの支谷を挟んで右岸の尾根が迫る。ここでもいいかな?と思ったが、たしか殿又谷から別の林道が入り込んでたはずだ。もう少しこのまま林道で稼ごうと直進。
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やがて鳥越林道は左にカーブして、手前に橋がかかる。殿又谷だ。右手に伸びる別の林道のゲートが雪に埋まっている。ここやここや! 今にも雪崩そうな左手の切り落とし斜面を気にしながら通過。橋を渡って今度は左岸を進む。
方向がちょっと心配になってGPSでカンニング。当初予定では殿又谷の右岸尾根から△688.7を経て北尾根へ上がるつもりだった。このままだとだいぶん北の方へ出てしまうなあ…? それでもすぐ左側に予定の尾根が見えている。どこか適当なところから尾根に上がったらいいわ。
雪が被って林道の位置が分かりにくい。それらしいところを辿る。co640あたりで取り付きやすそうな支尾根が現れた。これにすがれば稜線へ導いてくれるやろ。と、取り付いたのはいいけれど、けっこうきつい!だんだん斜度が増し、尾根も細くなってくる。
それにしても、このシュー(MSRライトニングアクシス)のグリップ力は相当なもんだ。凍結下地に淡雪(4~5cm)が載っている雪面にしっかり食い込んで、下地が崩れない限りスリップはない。(ただ足の筋力のせいで引き上がらないのが悲しい…)
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c0097754_2044247.jpg油断して一度だけ3mほどずり落ちたが、以後は注意してなんとか急斜面をクリアする。前方の青空が大きくなり稜線へ出た。と思ったらその向こうにまだ尾根が続く。つまり、北尾根ではなく予定の支尾根に合流したわけだ。ここからは斜度はたいしたことはない。
樹木のない南側には金糞岳(北峰)とそこへの稜線が一望でき、ここまでのシンドさを忘れさせてくれる。振り返って北側には奥美濃の山々が連座している。すぐにわかるのはトンガリ帽子の蕎麦粒山と兄弟のような五蛇池山。その真後ろに背後霊のように白く霞んでいるのは白山と能郷白山だろう。まるでお雛祭りの内裏雛だな、こりゃ(^O^)/。
c0097754_207504.jpg右側には乗鞍や御岳も…。待った待った、もったいない。もっと上に行ってからじっくり鑑賞させてもらいましょう。
展望を楽しみながらまずは前方の高み・1039へ。やっとこさやってきた北尾根だ。西側からの風でズラリと雪庇ができている。風除けにその一角を借りてランチにする。(とは言ってもほとんど風はないのだけれど…)
ここから空身で山頂まで往復3時間あれば大丈夫だろう。12時に出れば15時。下りは1時間半くらい? と計算して、ゆっくりラーメンのお湯を沸かす。
c0097754_2055628.jpgその時だ、事件が起こったのは! お湯を沸かしながら保冷バッグからアワワを取り出す。ポカポカ陽気の日はこれがないとね~♪
そう思って横に置いた途端…消えた! なんと、座った隣りの木の周りにはスッポリと穴が開いており、アワワはその中に…。手を伸ばすが届かない。クソッー!諦めるしかないか…。
それでも未練は残る。今日の喜びの半分以上が消えてしまう。やっぱり掘りだそう。

c0097754_2063092.jpgストックの先で凍った雪を崩して、溜まった雪をすくい出して…、やった!穴の底から缶を救出する。値千金、ラーメンと一緒に味わう今日のアワワは、格別の味であった。







c0097754_2083194.jpgc0097754_2093181.jpgc0097754_20101924.jpg12時に5分あるがスタートする。ここからはアップダウンがほとんどない。難を言えば、あまりの眺望につい振り返ったり、カメラを構えたりで、なかなか前に進めないことだ。
雪原に立つダケカンバの枝を飾る氷の粒は、陽射しを受けて煌めく宝石。青空が高く、上空を飛ぶジェットの噴煙も短く潔い。雪庇の内側は青っぽく沈み、雪面の雪砂は光るグラニュー糖のよう。こんな天国の回廊を急ぐことはない。


c0097754_2011733.jpgc0097754_20113283.jpg距離にすればかなりのものだが、それでもいつの間にか・1211へ。あれ?どっちが山頂? 一気に前方が開けると、釣り尾根の左右にピークが並ぶ。一瞬判断に迷うが、頭の中で地図を呼び出す。なんだ、右は白倉岳やがな。こんな簡単なことも迷うくらい頭の中が別世界にきてウロウロしている。
c0097754_20445211.jpgさあ、フィニッシュだな、あと30分で行けるかな? 北峰が迫ってきた。左向きに大きな雪庇を張り出した北峰も思ったより簡単に通過。正面に真っ白の山頂を見据えながら、一歩一歩。
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山頂台地は広い。どこが頂点なのかもわからない。そう言えば北峰や西隣の白倉岳には三角点があるのに、この山にはそれがないのだ。よくある祠や山名盤のようなものもない。ひょっとして雪に埋もれてしまっているのだろうか? 2本の金属杭が雪の中から突き出しているだけだ。
足跡はあった。2、3人のワカンとツボ足の踏み跡だ。少し辿ってみると東側の鳥越林道からの夏道へ続いている。まだ1時半なのに、もう引き返したのだろうか? 人声がするかな?と思って耳を澄ましたが、かすかに聞こえてきたのは中津又谷を隔てた南東の奥伊吹スキー場のBGMらしい。スキー場の左奥は貝月山、右にはブンゲン。さらに右へ目をやると伊吹山がまだ白い。しかしその奥に霞む霊仙山など鈴鹿の山は黒っぽいのだ。
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c0097754_2014401.jpgc0097754_20151050.jpgc0097754_20155670.jpg周囲360度、グルリと山が並ぶ。登る途中の1000m付近から見えていた北側の山並みも高度が300m違うと見え方も変わるもんだ。蕎麦粒山のトンガリコーンも青空に突き刺さるのではなく白山の胸元に抱かれている。先端だけ覗いていた御岳や乗鞍も全容を現し、白い上半身が浮き上がっている。逆の南西方面は琵琶湖が全面公開だ。北湖は目の前で竹生島が水面に浮かぶ。その向こうの野坂山地から比良方面にかけては右から左へモノクロのグラデーションになっている。
横山岳、三国、三周、高丸、烏帽子、蕎麦粒、五蛇池、手前は湧谷山、天狗山、小津権現…。
と、よくもまあこれだけ連なってるなあと思うくらいの山々なんだが、リアルタイムで山名がはっきりしていたのはこのうちのいくつかだけなのだ。広域図を車中に置いてきたため、帰ってからの写真と地図を見ながらの山座同定なんである。
このうち、どれくらい登ったかと聞くなかれ。大半というよりほとんどが未知未踏の地なのだ。こうして全体像を俯瞰してみるのもこれから訪問上ではなかなか意味のある調査山行にもなったわけだ。

c0097754_2016491.jpgアウターもランチ場に置いてきたのでさすがに肌寒くなってきた。名残は惜しいがそろそろ帰りましょう。今日はまったく人に逢わないままだ。広い雪原はスノ―シューがピッタリ。自分の付けたトレースとはわざと違うルート取りしながらルンルン下り。と、北峰を過ぎたco1230あたりで前方から単独男性がやってきた。山スキーのようだ。疲れた相棒を下に待たせて山頂まで行ってみるという。「あと15分くらいですか?」「(時計を見て)う~ん、下りで15分かかってるから、もう少しかかるかな…?」

ザックをデポしたランチ場で一休み。山頂から丁度1時間だ。荷物を担いで再出発。・1039からそのまま北尾根を下ろうかとも思ったが、時間も押しているので往路の東の支尾根を下る。急な下降はスノ―シューは向かない。アイゼンに履き替えると楽になった。時々ズボッと踏み込んでしまうが尾根の北側は雪が固く大丈夫だ。
c0097754_2018740.jpgco890mからは踏み跡と別れ、当初予定の尾根に進む。いっそう傾斜がきつくなる。下手すれば滑落もんだぞ…。新雪の下に隠れているが、かすかな踏み跡がある。それを辿って慎重に下る。下りなのに汗だくになる。標高差にして150mくらいの急斜面をなんとか下り、鞍部から△688.7へ。すぐ左下に殿又谷の源頭部が見えている。
ピークから尾根を下ると左の植林帯が降りられそうだ。植林の右端の枝尾根をアイゼンのツメを聞かせて下る。難なく種へ降り着いた。GPSで確認すると往路とほとんど接近している。そうか…、この上を登って行ったんだ。そのまま植林の中を進むと自分のシューの跡に合流した。
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ここからは林道の上だ。もう一度シューを履いて長い林道歩き。すっかり緩んだ雪道をたどり、駐車地に5時過ぎ。山頂から3時間30分もかかってしまった。下りのポイントは、やはりあの急斜面だろう。
藤橋の湯へ急ぐ。明日どうするかはお風呂に温まりながら考えようっと…。
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Commented by kitayama-walk at 2011-03-10 01:01
 biwacoさん、こんばんは。
 雪の金糞岳でしたか。ここには、無雪期に一度だけ南尾根経由で登り、白倉岳までピストンしたことがあります。北尾根は相当なヤブなんでしょうけれど、積雪期はヤブが隠れていい感じになっていますね。

 スノーシューの筆下ろし後の2回目は威力発揮というところでしょうか。MSRのアクシスもアッセントも滑りにくいのが特徴なんでしょうね。私もアッセントで取立山・鉢伏山に行きました。

 3/5は湖北も天気がよかったようですね。私は、この日雨乞岳とイブネに登りましたが、午前中の雨乞岳はガスっていたけれど、午後のイブネは快晴でした。ちょうどいい感じに積雪し、樹氷もついていたのでイブネ劇場を堪能したところです。
Commented by Chika at 2011-03-10 20:10 x
おや、バリウム岳の日帰りかと思いきやー、、
翌日も何処かへ突撃を?

滑落されたアワアワさん、無事救出されて何よりです。
ワタシがそんな場面に遭遇したら、自分の身の危険を顧みず、ロープ垂らしてでも救出に向かいます(`0´)ノ

山座同定… ワタシはアルプスの有名どころが連なってるシーンでもリアルタイムじゃ???なので、レポ作る段階で地図とニラメッコしてます^^;
Commented by Tsutomu at 2011-03-10 23:22 x
biwacoさん、こんばんは。
いい天気の日に行かれてよかったですね。
僕らの時は山頂はガスっていて何も見えませんでした。
それでも道中の風景がすばらしかった。
なんどでも訪ねたくなる尾根です。
次回は晴れた日に行きたいなあ。
Commented by biwaco06 at 2011-03-18 22:08
kitayamaさん
今ごろになっての亀レスでごめんなさいm(__)m
(いつものことながら…)
どこまで行けるか不安もありましたが、思ったより快適にピストンできました。真っ白の稜線歩きは最高です~♪
イブネ劇場レポ、見せてもらいました。もう雪はなくなったかな?

Commented by biwaco06 at 2011-03-18 22:13
Chikaちゃん~
アワワ、貴重な命を見捨てては帰れません! チリ鉱山でも東北関東地震でも…!(一緒にしたらアカンかなあ…)
マジに被災した方々の安全安心を祈ってます。(ちょっとだけ募金しました)
今週は登山自粛です。

Commented by biwaco06 at 2011-03-18 22:15
兎夢さん~
行く前に兎夢さんのレポ読んどけばよかったと、反省してます。まあいつものことですけど。やはり同じルート取りでしたね。でも、あの急斜面を避けるルートを見つけたいですね。
主稜線から眺めはサイコーでした。
Commented by kitayama-walk at 2013-03-19 01:56 x
biwacoしゃん、2013/3/17行ってきましたで。北尾根経由で金糞岳に。ふ~さん、keikokuさんと三人でね。去年3/20の矢問さんの山レポがあったので、八草トンネル東口から取り付いて、長い尾根歩きをしましたよ。天気は快晴で言うことなし。山頂までの登りは4時間半かかりました。

 山頂の滞在時間は1時間。下山がピストンじゃ面白くないので、白倉の頭を経てP1161から県境稜線を八草峠まで北上し、そこから旧国道を歩いて八草トンネル西口に下山しました。6:30スタート、16:00に下山なので闇下(やみげ)にはなりませんでしたよー。

 登りでは前日のものと思われるトレースがありました。それが何と、矢問さんのものだったとはびっくりこきました。矢問さんも2年連続での金糞岳北尾根とは好きですねぇ。

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by biwaco06 | 2011-03-09 00:00 | 美濃・奥越・湖北 | Trackback | Comments(7)

近畿中心の山を歩いた気まぐれなmt.memoryです


by biwaco06
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