【日 付】2017年9月4日(月)~5日(火)
【山 域】中ア/南駒ヶ岳~越百山
【天 候】晴れ
【同 行】単独
【ルート】4日=伊奈川ダムP5:25-福栃橋6:15-ニワトリ小屋出合7:00-p1850見晴台8:50-△p2411北沢尾根11:45-p2700地点13:40-南駒ヶ岳15:50-16:50摺鉢窪避難小屋(泊)
5日=摺鉢窪避難小屋7:15-稜線分岐7:55-南駒ヶ岳8:35-co2820p9:00-p2628コル9:45-p2734仙涯嶺10:30-12:10越百山12:40-越百小屋13:40-上の水場14:40-17:45伊奈川ダムP
もうすぐ夏が終わる。やりかけの宿題を残したまま、60代最後の夏が終わりそう。
なんともやるせない思い。とは言うものの、確かなモチベーションに支えられた山行プランを立てる気力もない。
せめて残した課題だけでも片付けられたら…
そんなわけで、足はまた、伊奈川ダムへ向いている。
お盆前の「山の日」連休にも、ここで朝まで仮眠した大桑村須原のコンビニ。
今回は3時に目が覚め、トイレと買い物を済ませてダムに向かう。
暗闇でも前回通った道は安心だ。4時には駐車場。未だ夜は明けないが、そのうち白んでくるだろう。
前回は準備に時間を取られ出発が遅れた。二の足は踏むまいと、パッキングなどの準備を始める。
それでも5時を過ぎてしまった。前回と30分しか違わない。
今回のルートは逆回り。南駒ヶ岳へ先に登り、翌日、仙涯嶺を越えて越百山から下山するプランだ。
この、北沢尾根から南駒ヶ岳への直登ルートは、8年前に使った。木曽山脈の山に初チャレンジした時のことだ。
記録を見ると、駐車場を出たのはなんと9時前!
結果、山頂到着は夕刻となり、闇の稜線を彷徨い、ほうほうの態で摺鉢窪避難小屋へ逃げ込んだのだった。
まあ、今回はそれより3時間以上も早いスタート。よほどのことがない限り夕刻には小屋に到着するだろう。
しかし、山頂へ「5時間50分」というこの標識。あまりに現実離れしてるんでは?
登山口は「ニワトリ小屋橋」なるヘンな名前の橋を渡ったところ。
ハシゴを登り、ケサ沢右岸を少し下るようにトラバースし、ニワトリ小屋沢出合から尾根を登る。
ここからは傾斜は緩むが先は長い。ガスに隠れたり晴れたりの山頂稜線を眺めながらハイマツ帯を進む。
2712ピークを巻く地点の標柱に「頂上へ45分」とあるが、信じない。
この1時間以上手前の標示板には「頂上へ1時間」とあった。
最後の岩場で迷いそうになるが、なんとか山頂2841mの祠の前に到着できた。15:45。
「山頂へ45分」のはずの2700m標柱から2時間。駐車場うスタートから10時間以上かかっている。(>_<)
ここまでくれば一安心だ。天気も崩れそうにない。15分ほど休んでから空木岳への稜線を下り、鞍部から摺鉢窪避難小屋へ。
備え付けの雨水タンクの水を使わせてもらい夕食。疲れ過ぎか、食欲はない。
その夜はかなり冷え込んだが、同宿者もなく、7時半には眠りに就く。(サプライズは追記参照)
そして2日目
寒い! 小屋に戻り朝食。
やはり食欲はないので、オニギリをバラしてお茶漬けにして流し込む。
ヘシコを焼いて持ってきたのが役に立つ。
デザートに大粒のブドウ。これも美味しい。
半分残しておいたキュウリも喉を通りやすい。
とにかく水気のものばかり。なんでもいいからお腹に入れておく。
今日は下り基調なので時間の余裕がある…ハズ。
ゆっくりと体を目覚めさせてから、予定通り7時過ぎに出発。
とすれば覆いかぶさられたトンガリ山は? その左手に繋がる南アの連山も辿って見る。先ほどまで朝日を背にしていたのは? 甲斐駒、北岳、荒川、赤石、聖…、と勝手に推定を楽しむ。
東側を回り込み岩の間を潜りながら下っていく。そんなに危険な個所はない。
この時間になると、逆回りの登山者とすれ違う。登りが多い逆回りは疲れそうだ。
女性が「あと30分くらいですか?南駒まで?」と喘ぎながら。
とんでもない!「いやいや、もっとかかりますよ。下りの私でもここまで40分はかかってますから」と、やさしく激励しておく。
ここからは登り。気持ちを引き締めてゆっくり足を運ぶ。
遠くから見るとやせ尾根に見えたが、登山路は樹林の中を延びていてヒヤリとするような箇所はない。
仙涯嶺のピークはどこだったのか分らずじまいだが、もう引き返す気力はない。
振り返って岩峰を撮っておく。
目の前に越百山へ続く稜線が広がる。
緩やかな下りのあと緩やかに登る、一見やさしいルート。
しかしザレた花崗岩の斜面は滑って歩きにくいし、平坦になると登山路に進入するハイマツが邪魔。疲れた足にはダメージとなる。
すぐ後から追いついてきたトレラン2人組、南越百山へ行ってきたという単独男性と話しているとすぐ30分が経つ。
みんなここから伊奈川ダムへ下る。どうせ追い抜かれるから…と最後に腰を上げる。
3年前、ここでガスバーナーを使ったら叱られたので、ジャムパンと残り少ない水だけにする。
とっておきのブドウの残りが格別にウマイ!
あとはひたすら下るだけ。福栃橋からは林道を惰力で歩き、日没前に駐車場に到着。
2014年(越百小屋まで)、そして2017年8月(越百山まで)と、途中断念させられたリベンジがようやく果たせたのである。
しかしまあ、今回も目いっぱいの耐力山行になってしまった(@_@。
【山の出会い】
今回の宿は摺鉢窪避難小屋。入り口に注意書きが貼ってある。「改修が必要なため、使用は緊急の場合のみに」というお願いだ。で、事前に役場に事情を聞き、了解をいただいておいた。
しかし、この改修の「事情」とは、単なる老朽化だけではないようなのだ。
小屋は中央の土間の両脇に板張りの部屋となっている。
が、改修予定の左側の部屋はブルーシートでしっかり目隠しされ、様子はわからない。
それはそれとして、泊った日はイヤに冷え込んだ。
前日は風一つなかったのに夜更けから風が出始め、戸をたたく音、獣の唸るような、悲鳴のような音が続く。
それでも疲れた体はすぐ眠気に負けてしまう。
いきなり、それまでとは違う音に目が覚める。小屋の外で戸を叩くような音。これは風ではない。
入り口ドアは獣の進入防止のため中からカンヌキをかけておいた。なので、誰かが戸を叩いているのかも知れない。
「どなたですか? 今開けますから…、大丈夫ですか?」
大声で呼びかけながら玄関ドアを開けると、単独男性が入ってきた。
「起こしてすみません。人がいるとは思わなかったもので…」
恐縮する男性に、「いいんですよ、ささ、入って下さい」
「人間でよかった!」と心底、そう思った。
ところで何時やねん? ソーラーデジタルの腕時計は闇の中で反応しない。
ヘッデンの光を当てているとやっとこさ時刻を表示してくれた。
3時過ぎだ。草木も眠る丑三ツ刻ってやつだ。
もう一度男性の方を見る。ヘッデンの光に浮かぶ姿は立派な若者! たしかに人間だ(゜o゜)
ちょっと事情を聞いてみる。
なんでも伊奈谷の飯島町側から越百山に登り、仙涯嶺を越えてやってきたという。
シオジ平からの道は崩壊で通れないと聞いていたが…。そんなことは関係ないんだろう。
この時刻に到着ということは何時に登り始めたんだろう?
レポをまとめている今だからそんなことも気になるが、ネボケ頭の暗闇の中ではそんな疑問すらわかず、ただただ、感嘆し、呆れ返り、驚愕するばかりであった。
じつはこの人、2年に一度開かれる日本列島横断レースに出場をめざしているんだとか。
「トランスジャパンアルプスレース」というTVでも放映しているヤツ。
富山湾から北、中央、南アルプスの山を越え駿河湾まで1週間以内で駆け抜ける超人レース。
次回は9回目で、来年夏におこなわれる。
出場できれば初めてのチャレンジらしいが、事前審査や選考をクリアするのが大変で、今回もそのための特訓だという。
翌朝、いつ朝食を執ったか分らないうちに木曽駒ヶ岳へ向けて走り去って行かれた。
山ではいろんな人に出会う。それも山の楽しみの一つ。
愛知県のFさん。ぜひ出場を果たし、完走して下さい。蔭ながら応援してますね。
【中央アルプスの未踏ルート、ピーク】
★稜線=宝剣岳~空木岳、三の沢岳、摺古木休憩舎~安平路山(~越百山)
★伊那谷から=池山尾根~桧尾尾根周回、桂小場~権現づるね周回、シオジ自然園~越百山~奥念丈岳~飯島登山口
★木曽谷から=上松Aコース、上松Bコース、福島Aコース
いやあ、完全復帰ですねぇ。毎度の体力山行、私にはとても参考になりません………。
でも、水筒の湯たんぽや、ツェルトを使うことがないようにしてくださいね。
※最近とある故があって、「漁師ならぬ猟師」のまねごとを始めました。春から「狩●免許」の試験や、「猟●所持」の講習や申請など初めて経験することばかりです。
もうすぐ猟期になり、これまでと違う山行が経験できるかなと。
このブログも、私の心臓と同じく止まったり動いたり…。コメントがつかないのもさもありなんですね(^_-)
で、なんとマタギの修行ですか! 免許皆伝されても、ラスカルの尾っぽは狙わないでね…、くわばらくわばら~(@_@。